子供の視力低下を防ぐ最新定番&最新科学知見
目次
学校の視力検査でC判定になった #
小学2年生の息子が学校から持ち帰った視力検査の結果は「両目ともC判定」でした。C判定は視力0.4以下とのこと。。昨年はB判定だったので、1年でまた落ちたことになります。
黒板の字は特に見えにくくなっていないといってはいましたが、そろそろ眼科受診が必要だと判断しました。
ChatGPTで事前に情報収集 #
週末の眼科にかかる前に、ChatGPTに「7歳の子供の近視進行を抑制する方法」について調べてもらいました。科学的根拠のある方法から最新の研究まで、体系的にまとめてもらった内容を、同じ状況の方の参考になればと思い共有します。
科学的に効果が証明されている4つの方法 #
1. 低濃度アトロピン点眼 #
2024年12月、日本でも近視進行抑制薬「リジュセアミニ点眼液0.025%」が承認されました。シンガポールや香港での研究では、低濃度アトロピン点眼により近視の進行を約50〜60%抑制できることが報告されています。
就寝前に1日1回点眼する方法で、0.01〜0.05%の濃度なら副作用もほとんどありません。保険適用については今後の制度整備を待つ必要があります。
2. オルソケラトロジー #
夜寝るときに特殊なハードコンタクトレンズを装用し、朝起きたら外す治療法です。日中は裸眼で過ごせ、近視の進行も約40〜50%抑制できるとされています。
保険適用外で初年度は数万円〜十数万円かかります。小学校低学年から適用可能ですが、レンズの管理が必要なため、子供の成長度合いを見て検討することになります。
3. 屋外活動 #
1日2時間以上屋外で過ごすことで、近視発症リスクが約50%減少するという研究結果があります。ポイントは太陽光の明るさで、屋内の500〜1,000ルクスに対し、屋外は曇りでも10,000ルクス以上。この光が網膜でドーパミンの分泌を促し、眼軸の伸長を抑制するとされています。
4. 特殊設計のメガネ #
レンズ全体に微小な焦点領域を配置した特殊なメガネがあります。HOYAの「MiyoSmart」(DIMSレンズ)は、2年間で近視進行を52%、眼軸伸長を62%抑制したという研究結果があり、2021年から日本でも販売されています。
注目されている新しいアプローチ #
バイオレットライト #
慶應義塾大学の研究チームが、波長360〜400nmの「バイオレットライト」が近視抑制に効果がある可能性を発見しました。現代の生活では窓ガラスや室内照明でこの波長がカットされており、子供たちの曝露量が減少しているとのことです。その後の眼科でも、屋内でなく、外で日光を浴びるように言われました。
デジタルデバイスとの付き合い方 #
研究によると、1日4時間以上のスクリーン時間は近視リスクを上昇させます。対策として:
- 画面と目の距離は最低30cm以上
- 20分ごとに20秒間、遠くを見る「20-20-20ルール」
- 就寝前1時間はデバイスを使わない
- 宿題以外のスクリーン時間は1日2時間以内
その後 #
眼科での検査結果 #
学校ではC判定でしたが、眼科で詳しく検査したところ視力は0.7以上でB判定でした。医師からは、遺伝と生活習慣の両方で視力はある程度決まるので、これ以上視力が下がらないように生活習慣のほうを頑張ってみてほしいとのことでした。医師からは近くでスマホを見すぎないこと、外で日光を浴びる時間を増やすことを勧められました。
屋外活動の現実 #
「1日2時間の屋外活動」は、実際はかなり難しいです。特に夏は学校でも熱中症対策で外遊びが制限されます。土日の朝早くに公園に行くことをできる限り考えようかなと思いますが、なかなか実践できません。せめて真夏以外の季節はできるだけ外で遊ぶようにしようと思います。あとは、涼しい季節は家の窓を開けてUVをある程度取り込もうと思いました。
重要:一度悪くなった視力は戻らない #
ここで重要なことは、一度低下した視力を回復させる方法は、レーシック手術以外には存在しないということです。近視は主に眼軸(眼球の前後の長さ)が伸びることで起こりますが、一度伸びた眼軸は自然に戻ることはありません。
上記で紹介した方法は、あくまで視力低下の進行を抑制するためのものであり、既に低下した視力を改善するものではありません。つまり:
- アトロピン点眼: 近視の進行を遅らせるが、既存の近視は治せない
- オルソケラトロジー: 一時的に視力を矯正するが、根本的な治療ではない
- 屋外活動: 新たな近視発症や進行予防には効果的だが、回復はしない
- 特殊メガネ: 進行抑制効果はあるが、視力回復はできない
だからこそ、予防が最も重要なのです。子供の視力に気づいた時点で、これ以上の進行を防ぐことが唯一できる対策となります。「まだ大丈夫」と思わず、早期から適切な予防策を講じることが、将来の視力を守る最善の方法です。