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iPhone 13〜16のカメラ比較―公式仕様と分解調査で見るセンサーサイズ

結論 #

iPhone 13以降のメインカメラは、同じ画素数でもセンサーサイズが同じとは限りません。特に差が大きいのは次の3点です。

  • iPhone 13/13 miniの12MPメインは約1/1.9型、13 Pro/Pro Maxは約1/1.65型です。
  • iPhone 14 Pro以降のPro系メインは48MP・約1/1.28型。iPhone 15/15 Plusと16/16 Plusの約1/1.56型より一回り大きいセンサーです。
  • 廉価モデルのiPhone 16eも48MPですが、外部調査では約1/2.55型とされます。48MPという数字だけでiPhone 16と同等とは判断できません。

Appleは、画素数、絞り値、光学ズーム、手ぶれ補正などを技術仕様で公表しています。一方、撮像素子の型番と光学フォーマット(1/1.28型など)は原則として公表していません。そこで本記事では、Apple公式値と、分解・半導体解析・実機レビューから得られた外部調査値を明確に分けます。

センサーサイズ比較一覧(メインカメラ) #

「約1/○型」はセンサーの実寸そのものではなく、撮像管時代に由来する光学フォーマット表記です。分母が小さいほど、おおむね大きなセンサーです。表のサイズと型番はApple非公表であり、同一モデルでも調達時期によって部品が変わる可能性があります。

発売年区分モデルApple公式のメインカメラ仕様外部調査によるセンサー画素ピッチ確度・根拠
2021miniiPhone 13 mini12MP、ƒ/1.6、センサーシフトOIS約1/1.9型(Sony、13と同系統)1.7µm高:TechInsightsが13の1.7µmを実測。miniは公式仕様・カメラ構成が13と同一
2021無印iPhone 1312MP、ƒ/1.6、センサーシフトOIS約1/1.9型(Sony)1.7µm高:TechInsightsが画素ピッチとダイを解析
2021ProiPhone 13 Pro12MP、ƒ/1.5、センサーシフトOIS約1/1.65型(Sony IMX703系)1.9µm高:TechInsightsが新CISダイと1.9µmを解析
2021Pro MaxiPhone 13 Pro Max12MP、ƒ/1.5、センサーシフトOIS約1/1.65型(Sony IMX703系)1.9µm高:13 Proと同じ公式カメラ仕様。解析でも同じダイの採用が示される
2022廉価版iPhone SE(第3世代)12MP、ƒ/1.8、OIS約1/3型クラス(旧世代12MP系)約1.22µm低〜中:Apple非公表。分解・レビューではSE(第2世代)/iPhone 8系ハード継承との報告
2022無印iPhone 1412MP、ƒ/1.5、センサーシフトOIS約1/1.65型(Sony IMX703系)1.9µm高:Appleが1.9µmを公表。13 Pro系センサーの転用と外部調査が一致
2022PlusiPhone 14 Plus12MP、ƒ/1.5、センサーシフトOIS約1/1.65型(Sony IMX703系)1.9µm高:14と同じ公式カメラ仕様
2022ProiPhone 14 Pro48MP、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX803)1.22µm(4画素結合時2.44µm相当)高:TechInsightsがCISダイと型番を解析
2022Pro MaxiPhone 14 Pro Max48MP、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX803)1.22µm(同2.44µm相当)高:14 Proと同一の公式カメラ構成・解析結果
2023無印iPhone 1548MP、ƒ/1.6、センサーシフトOIS1/1.56型(Sony IMX904)1.0µm(同2.0µm相当)高:TechInsightsが端末から取り出して解析
2023PlusiPhone 15 Plus48MP、ƒ/1.6、センサーシフトOIS1/1.56型(Sony IMX904)1.0µm(同2.0µm相当)高:15と同じ公式カメラ仕様
2023ProiPhone 15 Pro48MP、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX803)1.22µm(同2.44µm相当)高:分解解析で14 Pro系の継続を確認
2023Pro MaxiPhone 15 Pro Max48MP、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX803)1.22µm(同2.44µm相当)高:iFixitが14 Pro Maxと同等サイズを観察、TechInsightsが型番を確認
2024無印iPhone 1648MP Fusion、ƒ/1.6、センサーシフトOIS約1/1.56型(15系48MPセンサー相当)約1.0µm(同2.0µm相当)中:公式仕様と分解時の15との類似から判断。型番はApple非公表
2024PlusiPhone 16 Plus48MP Fusion、ƒ/1.6、センサーシフトOIS約1/1.56型(15系48MPセンサー相当)約1.0µm(同2.0µm相当)中:16と同じ公式カメラ仕様
2024ProiPhone 16 Pro48MP Fusion、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX903)1.22µm(同2.44µm相当)高:TechInsightsがIMX903を取り出し、IMX803と比較解析
2024Pro MaxiPhone 16 Pro Max48MP Fusion、ƒ/1.78、第2世代センサーシフトOIS約1/1.28型(Sony IMX903)1.22µm(同2.44µm相当)高:16 Proと同一構成。TechInsightsの分解解析
2025廉価版iPhone 16e48MP Fusion、ƒ/1.6、OIS約1/2.55型(Sony IMX982との報告)約0.7µm(同1.4µm相当)中:分解で小型モジュールを確認し、複数レビューの値が一致。型番は未確定扱い

注:光学フォーマットは媒体によって「1/1.65型」「1/1.7型」のように丸め方が異なります。本表では解析で得られた画素ピッチと一般的な有効画素配列に整合する代表値に統一しました。「4画素結合時」は2×2画素をまとめて12MPとして使う場合の受光単位の幅で、物理画素自体が大きくなるわけではありません。

背面カメラ構成もモデル別に比較 #

センサーサイズだけでなく、使える画角にも大きな差があります。

モデル群メイン超広角望遠マクロLiDAR
iPhone 13 mini/1312MP12MPなしなしなし
iPhone 13 Pro/Pro Max12MP12MP12MP・3倍対応あり
iPhone SE(第3世代)12MPなしなしなしなし
iPhone 14/14 Plus12MP12MPなしなしなし
iPhone 14 Pro/Pro Max48MP12MP12MP・3倍対応あり
iPhone 15/15 Plus48MP12MP専用なし(メイン中央クロップの2倍)なしなし
iPhone 15 Pro48MP12MP12MP・3倍対応あり
iPhone 15 Pro Max48MP12MP12MP・5倍テトラプリズム対応あり
iPhone 16/16 Plus48MP12MP専用なし(メイン中央クロップの2倍)対応なし
iPhone 16 Pro/Pro Max48MP48MP(IMX972、1/2.55型)12MP・5倍テトラプリズム対応あり
iPhone 16e48MPなし専用なし(メイン中央クロップの2倍)なしなし

分解・解析で分かったこと #

iPhone 13:無印とProは12MPでも別物 #

Appleの仕様表ではどちらも12MPですが、TechInsightsのダイ観察では、13/13 miniのメインは1.7µm、13 Pro/Pro Maxは1.9µmです。単純計算では1画素の受光面積が約25%大きく、Proのセンサーダイも13シリーズ最大と報告されています。13 Proの超広角と望遠、13無印の超広角は1.0µm級の別センサーです。

iPhone 14:無印は前年Pro級、Proは48MP大型センサーへ #

iPhone 14/14 Plusは12MPのままですが、Apple自身が1.9µm画素と説明しており、外部調査では13 Pro系のIMX703とされています。14 Pro/Pro MaxはIMX803へ移行し、1.22µmの48MP画素を2×2で束ねて通常は12MPとして扱います。48MP ProRAWも選択できます。

TechInsightsは14 Proの超広角を12MP・1.4µm、望遠を12MP・1.0µmと観察しました。つまり、1台の中でもメイン、超広角、望遠のセンサーサイズは異なります。

iPhone 15:無印も48MP、Proはサイズ据え置き #

iPhone 15/15 PlusのIMX904は1/1.56型・1.0µmで、2層トランジスタ画素を使う新しいセンサーです。標準の24MP記録と、中央部12MPを使う「光学品質」の2倍に対応しました。ただし専用望遠カメラではありません。

15 Pro/Pro Maxのメインは14 Pro系とほぼ同じ1/1.28型です。iFixitも、15 Pro Maxのメインと超広角のセンサーが14 Pro Maxと同程度の大きさに見えると報告しています。Pro Maxで新しくなったのは主に5倍テトラプリズム望遠です。

iPhone 16:Proの超広角が48MP化、無印はマクロ対応 #

iPhone 16/16 Plusのメインは、画素数、絞り、4画素結合時の扱いから15/15 Plusと同じ1/1.56型クラスとみられます。超広角は12MPのままですが、オートフォーカスを備え、マクロ撮影に対応しました。

16 Pro/Pro Maxのメインは、TechInsightsがSony IMX903として解析しています。サイズは約1/1.28型のままですが、読み出しが高速化し、4K 120fps Dolby Visionなどに結びついています。48MP化した超広角IMX972は1/2.55型・0.7µmで、メインより小さいセンサーです。

SE(第3世代)と16e:廉価版はセンサーの世代差に注意 #

iPhone SE(第3世代)はA15 Bionicを搭載し、Smart HDR 4やDeep Fusionに対応しますが、背面は12MP単眼です。分解・レビューでは、SE(第2世代)やiPhone 8に近い旧世代カメラハードを継承したとされています。ナイトモード、超広角、望遠はありません。

iPhone 16eは48MPになり、2倍クロップやナイトモードを使えます。しかし、分解写真ではiPhone 16より明らかに小さな単眼モジュールで、複数の実機レビューは1/2.55型・0.7µmと報告しています。48MPであっても、1/1.56型のiPhone 16より受光面積では不利です。一方、画像処理、明るいƒ/1.6レンズ、OISによって、画質がセンサーサイズだけで決まるわけではありません。

選び方 #

  • 暗所、動く被写体、RAW編集を重視するなら、メインセンサーが大きく望遠もある14 Pro以降のPro系が有利です。
  • 軽さと価格、日常の1倍・2倍撮影のバランスなら、48MP・1/1.56型クラスの15/15 Plus、16/16 Plusが候補です。
  • 13/13 miniは12MPでも1/1.9型で、SE(第3世代)より新しいカメラハードです。中古価格だけでなく、ナイトモードと超広角の有無も比較ポイントになります。
  • 16eは単眼でよく、A18や長いソフトウェアサポートを優先する人向けです。48MPという表記だけを見て16/16 Plusと同じカメラだと考えない方がよいでしょう。
  • センサーサイズは画質の重要な要素ですが、レンズの明るさ、手ぶれ補正、AF、画像処理、撮影する画角も同時に比べる必要があります。

調査方法と注意点 #

公式仕様はAppleの日本語版技術仕様を基準にしました。非公表項目は、半導体を取り出してダイや画素を観察するTechInsightsを優先し、iFixitの分解観察と実機レビューで補完しています。噂段階の記事は根拠にしていません。

それでも、Appleが部品表を公開しているわけではありません。本表の外部調査値は、特定の分解個体から同一モデル全体へ推定した値を含みます。また「1/○型」は実寸のインチ換算ではないため、厳密な面積比較には有効画素配列と画素ピッチが必要です。

参考資料 #

Apple公式 #

分解・半導体解析・実機レビュー #