住宅ローン団信の期待値を計算して、三菱UFJの7大疾病100%を選んだ話
目次
住宅を購入することになり、住宅ローンの団体信用生命保険、いわゆる団信を詳しく調べました。 商品はかなり多様で、どれがお得か全くわからなかったため、
上乗せ金利として払う金額に対して、住宅ローン残高が免除される期待額はどのくらいなのか。
を、計算してみました。
調査と計算には、生成AIのGPT-5.5 Thinkingを駆使しています。 一応、各銀行の公式資料から条件を拾い、公的な疾病、死亡、就業不能などの統計と、毎年の住宅ローン残高を組み合わせました。 (しかし、すべてデータを突き合わせて検証はできていません。。間違いのクレームはGPTまでお願いします)
保険会社が行う精密な保険数理計算ではなく、公開情報を使った個人の概算です。 情報は2026年7月31日時点です。
先に結果 #
今回の条件では、幅広い疾病保障の中では、三菱UFJ銀行の7大疾病100%保障が一番よさそう、という結果になりました。
がんだけに絞るなら、SBI新生銀行のガン団信もかなり強いです。 年0.10%の上乗せで、所定のがんと診断されると残高が0円になります。
PayPay銀行のがん100%保障団信も、年0.15%で付帯保障が多く、有力でした。
逆に、三菱UFJの全疾病100%は、保障は広いものの年0.50%の上乗せが重く、7大疾病100%より費用対効果が下がりました。
私自身は、最終的に三菱UFJ銀行の7大疾病100%保障を選びました。 うちはガンの家系でもあるのですが、血圧、心臓病にも心配のある生活習慣だったため、がんだけに手厚い保険は除外しました。
りそな銀行の団信革命も保障内容は良いと思い、実際に住宅ローンを申し込みました。 しかし、審査後の金利が最優遇金利より高くなったため、りそなは選びませんでした。
今回一番強く感じたのは、
何種類の病気を保障するかより、どの状態になったら残高が0円になるかの方が重要
ということです。
計算の前提 #
比較条件は下記です。
| 項目 | 前提 |
|---|---|
| 加入時年齢 | 45歳 |
| 性別 | 男性、女性を別々に計算 |
| 借入額 | 1,000万円 |
| 返済期間 | 35年 |
| 返済方法 | 元利均等返済 |
| 評価期間 | 10年間、20年間 |
| 評価額 | 団信で免除されるローン残高の期待額 |
| 上乗せコスト | 上乗せ金利による累計返済額の増加 |
| 差引期待値 | 期待免除額-上乗せコスト |
10年、20年で区切ったのは、35年間ずっと同じ住宅ローンを持ち続けるとは限らないためです。
中古マンションなら、途中で売却、借り換え、繰上返済をする可能性があります。 団信の価値は、その時点で残っているローン残高に依存するので、自分が保有しそうな期間で見る必要があります。
期待値の計算方法 #
考え方は単純です。
期待保障額
= 各年の支払事由に該当する確率
× その時点の住宅ローン残高
× 保障割合
の合計
追加特約の差引期待値は、
追加特約の差引期待値
= 追加保障によって増える期待保障額
- 上乗せ金利による追加返済額
です。
たとえば、ある年に支払事由へ該当する確率が0.5%で、その時点のローン残高が900万円なら、その年の期待保障額は4万5,000円です。
900万円 × 0.5% = 4万5,000円
これを各年について積み上げました。
ただ、実際には病気の発症率をそのまま使えません。
- がんの90日待機期間
- 上皮内がんの除外
- 心筋梗塞、脳卒中の入院要件
- 60日以上の状態継続要件
- 就業不能が12か月、24か月継続する条件
- 精神疾患などの免責
- 健康告知を通過した人は一般人口より健康である可能性
- 複数疾病の重複
などを考える必要があります。
ここが、商品名だけ見ても分からない部分でした。
保険なのに期待値がプラスになるのか #
一般に、保険は契約者全体で見れば期待値がマイナスになるはずです。
保険会社の事務費、販売費、利益、リスクマージンがあるためです。 団信だけ特別に、保険会社が損をするように作られているとは考えにくいです。
それでも今回、一部の商品が期待値プラスに見えました。
理由の一つは、比較しているのが一般団信を含む保険全体ではなく、追加特約の部分だからです。
民間銀行では一般団信が「無料」と表示されることがありますが、本当にコストが0円という意味ではありません。 銀行が保険料を負担し、住宅ローン全体の採算に入れているはずです。
今回見ているのは、
- がん団信へ変更するための年0.10%
- 7大疾病を付けるための年0.30%
などの増分です。
また、団信はローン残高と一緒に保障額が減っていきます。 銀行にとっては住宅ローンを獲得するための商品でもあるので、疾病団信の一部を戦略的に安くすることもありそうです。
一方、今回の計算には一般人口の罹患率を使っています。 健康告知を通過した団信加入者は、一般人口より低リスクの可能性があります。
なので、今回のプラスという結果を見て、保険会社が赤字になる、と考えるのは違うと思います。
比較した団信 #
45歳で加入できる主なプランを整理すると、下記のようになります。
| 銀行・商品 | 上乗せ金利 | 主な残高免除条件 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ 3大疾病50% | 年0.15% | がん診断、脳卒中・急性心筋梗塞の所定入院 | 残高の50%を保障 |
| 三菱UFJ 7大疾病100% | 年0.30% | 3大疾病で残高0円。4生活習慣病は長期就業障害等 | 3大疾病の条件が比較的浅い |
| 三菱UFJ 全疾病100% | 年0.50% | 3大疾病に加え、対象疾病・けがによる長期就業障害 | 広いが上乗せが大きい |
| SBI新生 ガン団信 | 年0.10% | 所定の悪性新生物の診断 | 単純で安い |
| SBI新生 全疾病保障付団信 | 上乗せなし | 8疾病またはその他疾病・傷害による長期就業不能 | ガン団信とは併用不可 |
| りそな 団信革命 | 年0.30%(40歳以上) | がん、心筋梗塞・脳卒中、16特定状態、所定の要介護状態 | 対象は広いが重い条件も多い |
| PayPay がん50%保障団信 | 年0.10% | がん診断で残高の50% | 2026年6月から0.10% |
| PayPay がん100%保障団信 | 年0.15% | がん診断で残高0円 | 全疾病、失業、自然災害等の付帯保障あり |
| フラット35 新機構団信 | 団信なしより年0.20% | 死亡、所定の身体障害 | 団信コストが分かりやすい |
| フラット35 新3大疾病付機構団信 | 新機構団信より年0.24% | がん、心筋梗塞・脳卒中、要介護2以上等 | 心筋梗塞・脳卒中は60日継続または所定手術 |
「全疾病」と書かれていても、病気になっただけで住宅ローンが0円になるわけではない商品が多いです。
実際には、
- 長期間働けない
- 入院が続く
- 所定の障害状態になる
- 後遺症や労働制限が一定期間続く
などの条件があります。
名前だけ見るとかなり手厚く見えるので、ここは注意が必要です。
10年間保有した場合 #
以下は今回の概算です。 単位はすべて万円/借入1,000万円です。
- 上乗せコスト:上乗せ金利で増える返済額
- 受取期待値:残高免除額の確率加重平均
- 差引期待値:受取期待値-上乗せコスト
| 商品 | 上乗せコスト | 男性:受取期待値 | 男性:差引期待値 | 女性:受取期待値 | 女性:差引期待値 | 注意 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ 3大疾病50% | 13.5 | 27.9 | +14.4 | 33.3 | +19.9 | 3大疾病部分の概算 |
| 三菱UFJ 7大疾病100% | 27.0 | 57.7 | +30.7 | 68.5 | +41.6 | 月次返済保障は十分に加算していない |
| 三菱UFJ 全疾病100% | 45.1 | 60.1 | +15.0 | 71.0 | +25.9 | 全疾病部分の誤差が大きい |
| SBI新生 ガン団信 | 8.8 | 23.4 | +14.6 | 45.3 | +36.5 | がん罹患率を使うため比較的計算しやすい |
| SBI新生 全疾病保障付団信 | 0.0 | 3.8以上 | +3.8以上 | 4.4以上 | +4.4以上 | 長期就業不能部分の下限推定 |
| りそな がん保障特約 | 18.0 | 23.4 | +5.4 | 45.3 | +27.3 | 上乗せ年0.20% |
| りそな 団信革命 | 27.0 | 23.4以上 | -3.6以上 | 45.3以上 | +18.3以上 | 16状態・要介護を十分加算していない下限 |
| PayPay がん100%保障団信 | 13.5 | 23.4以上 | +9.9以上 | 45.3以上 | +31.8以上 | 全疾病・失業・災害保障を十分加算していない |
20年間保有した場合 #
| 商品 | 上乗せコスト | 男性:受取期待値 | 男性:差引期待値 | 女性:受取期待値 | 女性:差引期待値 | 注意 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ 3大疾病50% | 23.3 | 74.4 | +51.1 | 68.6 | +45.3 | 3大疾病部分の概算 |
| 三菱UFJ 7大疾病100% | 46.8 | 152.9 | +106.0 | 141.0 | +94.2 | 月次返済保障は十分に加算していない |
| 三菱UFJ 全疾病100% | 78.6 | 158.1 | +79.5 | 146.1 | +67.4 | 年0.50%の上乗せが重い |
| SBI新生 ガン団信 | 14.9 | 75.6 | +60.7 | 87.9 | +73.1 | がん診断100%で年0.10% |
| SBI新生 全疾病保障付団信 | 0.0 | 7.9以上 | +7.9以上 | 9.1以上 | +9.1以上 | 長期就業不能部分の下限推定 |
| りそな がん保障特約 | 31.1 | 75.6 | +44.5 | 87.9 | +56.8 | がん単独としては上乗せが大きめ |
| りそな 団信革命 | 46.8 | 75.6以上 | +28.8以上 | 87.9以上 | +41.1以上 | 重症障害・介護部分を十分加算していない |
| PayPay がん100%保障団信 | 23.3 | 75.6以上 | +52.3以上 | 87.9以上 | +64.6以上 | 全疾病・失業・災害保障を十分加算していない |
銀行や保険会社が公表した期待値ではありません。 一般人口の統計を使った概算で、特に就業不能、要介護、障害保障は誤差が大きいです。
それでも、いくら余分に払い、統計上いくら戻る可能性があるかを同じ尺度にすると、商品名だけでは見えなかった差が見えました。
年0.数%は小さく見えますが、1,000万円の借入でも10年、20年で数十万円になります。 借入額が5,000万円なら、表の金額は原則として約5倍です。
・・・軽い金額ではありません。
三菱UFJの7大疾病100%が強かった理由 #
最大の理由は、がん以外の3大疾病でも、残高0円になる条件が比較的浅いことです。
三菱UFJでは、所定のがんと診断された場合に加え、脳卒中や急性心筋梗塞で所定の治療目的の入院を開始した場合に、住宅ローン残高が0円になります。
一方、りそなの団信革命やフラット35の新3大疾病では、急性心筋梗塞、脳卒中について、
- 初診日から60日以上、所定の状態が継続する
- または所定の手術を受ける
などの条件があります。
同じ「3大疾病保障」でも、発症率をそのまま支払確率として使えません。
極端に書くと、
- 3疾病だけだが、診断や入院で残高0円になる商品
- 20疾病を保障するが、1年以上働けない場合だけ残高0円になる商品
なら、後者の方が病名は多くても、実際に支払われる確率は低いかもしれません。
団信の価値は、
対象疾病の発生率
× 支払条件を満たす割合
× その時点のローン残高
で決まります。
保障疾病の数だけ見ても仕方がない、という結論になりました。
三菱UFJと、りそな団信革命の違い #
45歳の場合、三菱UFJの7大疾病100%と、りそなの団信革命は、どちらも上乗せ金利が年0.30%です。
両方とも、死亡、高度障害、所定のがん、急性心筋梗塞、脳卒中を保障します。
ただし、心筋梗塞、脳卒中の条件が違います。
三菱UFJは、所定の治療目的の入院で残高0円になります。 また、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変を追加で保障し、一定期間の就業障害では月次返済保障もあります。
りそなは、心筋梗塞、脳卒中について、60日以上の所定状態継続または所定手術が必要です。 その代わり、病気やけがによる16の特定状態、所定の要介護状態、片側半身麻痺、永久透析なども対象になります。
保障される状態の種類は、りそなの方が多いです。
ただ、追加されるのは、45歳から10~20年の間では比較的低頻度と思われる重症状態が中心です。
しかも、どちらも受け取れる最大額は、その時点の住宅ローン残高までです。 三菱UFJの支払事由へ先に該当すれば、その後にりそな独自の状態へ該当しても、追加で受け取れるわけではありません。
そのため、同じ上乗せ金利なら、支払われる状態の種類が多い商品より、支払われる確率が高い商品の方が期待値は高くなります。
りそなの団信革命は、事故後の重い障害や要介護まで心配するなら意味があります。 ただ、金銭期待値を最大にしたい場合の選択とは少し違うと思いました。
SBI新生は全疾病よりガン団信が有力 #
SBI新生銀行では、主に次の団信から一つを選びます。
- 一般団信:上乗せなし
- 全疾病保障付団信:上乗せなし
- ガン団信:年0.10%上乗せ
ガン団信と全疾病保障付団信は併用できません。
名称だけ見ると、全疾病保障付団信の方が強そうです。
しかし、残高が0円になるには、8疾病による所定期間の就業不能や、その他疾病、傷害によるさらに長期間の就業不能などが必要です。
一方、ガン団信は、所定の悪性新生物の診断で残高が0円になります。 年0.10%の上乗せとしては、かなり分かりやすい条件です。
そのため、今回の期待値ではガン団信が有力になりました。
ただし、全疾病保障付団信は上乗せなしです。 がん団信を選ばない場合、一般団信よりこちらを選ぶ合理性はあります。
注意したいのは、「全疾病」という名前です。 病気になれば幅広く残高が0円になるように見えますが、実際には12か月、24か月といった長期の就業不能が必要な場合があります。
病気になる確率と、その状態で1年、2年と働けなくなる確率は、全く違います。
商品名ではなく、一括保障までの期間と、就業不能の定義を見る必要があります。
PayPay銀行のがん100%保障団信 #
2026年7月時点の主な上乗せ金利は、
- がん50%保障団信:年0.10%
- がん100%保障団信:年0.15%
- 一般団信:上乗せなし
です。
がん100%保障団信には、がん診断保障に加えて、
- がん先進医療
- がん診断時一時金
- 全疾病保障(入院限定)
- 非自発的な失業保障
- 自然災害による居住不能保障
が付きます。
ただし、全疾病保障で残高が0円になるには、がん以外の病気やけがで入院し、入院による就業不能状態が12か月を超えて継続する必要があります。
付帯保障は多いですが、期待値の中心は、やはりがん診断で残高が0円になる部分だと思います。
年0.15%はSBI新生の年0.10%より高いですが、付帯保障も欲しい人には有力です。
三菱UFJの全疾病100%は上乗せが重い #
三菱UFJの全疾病100%は、7大疾病100%より保障範囲が広いです。
ただし、上乗せ金利は、
- 7大疾病100%:年0.30%
- 全疾病100%:年0.50%
です。
年0.20%増えます。
追加される保障の多くは、病気になっただけでは支払われず、長期の就業障害などが必要です。 一方、追加コストは確実に発生します。
今回の計算では、保障範囲が広がる効果より、年0.20%の追加コストの方が大きくなりました。
全疾病100%を選ぶ理由は、期待値ではなく、対象外疾病による極端な長期離脱を避けたい、というリスク回避になると思います。
フラット35は途中で評価を修正 #
当初、フラット35の新3大疾病付機構団信は、かなり期待値が高い計算になりました。
でも、公式条件を確認し直すと、急性心筋梗塞と脳卒中は、
- 60日以上の所定状態継続
- または所定の手術
が必要でした。
発症率や入院率を、そのまま支払確率として使うと過大評価になります。
そのため、フラット35の新3大疾病付機構団信は、今回の順位から外しました。
こういう見落としがあるので、団信の比較はかなり面倒です。 商品概要ページだけでなく、契約概要、注意喚起情報、しおりまで見る必要があります。
女性はがん団信の期待値が高く出やすい #
45歳から50歳代前半では、女性のがん罹患率が男性より高くなります。 乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの影響です。
そのため、45歳女性の10年間比較では、
- SBI新生のガン団信
- PayPayのがん100%保障団信
- 三菱UFJの7大疾病100%
の期待値が、男性より高く出ました。
ただし、多くのがん団信では上皮内がんが除外されます。 単純ながん罹患率を使うと、保障確率を高く見積もってしまう可能性があります。
平均値だけで決めない #
今回の計算は、同じ年齢、性別の平均的な統計を使っています。 でも、実際のリスクは人によって違います。
- 一族にがんが多いか
- 若くして心筋梗塞や脳卒中になった血縁者がいるか
- 糖尿病、高血圧、腎疾患などの家族歴があるか
- 高ストレス、慢性的な睡眠不足、過重労働があるか
- 健康診断で継続的に指摘されている項目があるか
- 事故リスクの高い仕事や活動をしているか
などは、公開統計からは分かりません。
家族歴や生活状況だけで将来の病気を断定することはできませんし、医療上の評価は医師へ相談する必要があります。
それでも、自分だけが知っているリスクがあるなら、平均的な期待値より重く見るのは合理的だと思います。
がんの家族歴を強く意識するなら、低コストのがん100%保障。 心血管系が気になるなら、心筋梗塞、脳卒中の支払条件が浅い商品。
そういう選び方はありだと思います。
団信で見るべきところ #
今回調べて、最低限見るべきだと思ったのは下記です。
残高0円になる条件 #
- 診断だけか
- 入院が必要か
- 手術が必要か
- 60日以上の後遺症や労働制限が必要か
- 1年以上の就業不能が必要か
待機期間、除外条件 #
- がんの90日待機
- 上皮内がん除外
- 精神疾患除外
- 既往症
- 入院限定
- 自宅療養が対象か
上乗せ金利 #
年0.10%の差でも、借入額と期間によってはかなり大きくなります。
ただし、10年後に売却するなら、35年分の追加コストを払うわけではありません。 自分の保有予定期間で見る必要があります。
住宅ローン本体の条件 #
団信が良くても、住宅ローン本体の金利、融資手数料、繰上返済条件が悪ければ、全体では不利です。
最終判断
= 基準金利
+ 団信上乗せ
+ 融資手数料
+ その他費用
- 団信の期待価値
団信だけで銀行を決めるべきではありません。
最終的に三菱UFJを選んだ #
私は最終的に、三菱UFJ銀行の7大疾病100%保障を選びました。
理由は、
- がん、急性心筋梗塞、脳卒中の支払条件が比較的浅い
- 3大疾病で残高100%が免除される
- 4つの生活習慣病と月次返済保障も付く
- 年0.30%は重いが、幅広い保障の中では費用対効果が高かった
- 住宅ローン本体の金利も、私の条件では三菱UFJの方が良かった
ためです。
りそな銀行にも申し込みました。 団信革命の、病気、けがによる16の特定状態や要介護状態まで対象にする点は、三菱UFJにはない良い部分だと思います。
しかし、審査後の適用金利が、理由不明のまま最優遇金利より高くなりました。
団信革命の上乗せだけでなく、基準になる住宅ローン金利まで高いと、保障の広さでは取り返しにくいです。
そのため、りそなの保障は評価しつつ、ローン全体の費用を考えて選びませんでした。
団信部分だけの概算順位は、私は下記のように考えました。
- 三菱UFJ 7大疾病100%
- SBI新生 ガン団信
- PayPay がん100%保障団信
- 三菱UFJ 3大疾病50%
- りそな 団信革命
- 三菱UFJ 全疾病100%
ただし、これは団信部分だけの順位です。 実際には、実行金利、事務手数料、借入可能額、ペアローン、連生団信、繰上返済のしやすさも含める必要があります。
調べてみた感想 #
よく言われている通り、疾病団信の追加特約は、消費者側にとってそんなに部の悪い賭けではないのかな、という感想を持ちました。 とくに住宅ローンは額も大きく、前半で働けなくなると人生に多大な影響を及ぼす商品なので、団信の追加特約で多少コストを払っても、そのリスクをできるだけ避けることができるようにするのはよいことだと思います。
一方で、金利が年0.数%上がるのはかなり重いです。
0.10%、0.30%という表示だけ見ると小さく感じますが、毎月の返済額は確実に増え、借入額によっては総返済額が数十万円、数百万円単位で増えます。
保障が広そうだから、という理由だけで最大の全疾病保障を付けるのは危険だと思いました。
特に、SBI新生銀行の全疾病保障付団信のような、長期の就業不能を条件にする商品には注意が必要と思いました。重いガンでも12か月連続で働けないケースはまれな気がするので、保険の機能を果たさない場合が結構あるのでは、と心配になりました。
結局、団信は、
- 商品名
- 対象疾病の数
- 「保障が広い」という広告表現
より、
- 一括保障の具体的な支払条件
- 上乗せ金利による月額負担
- 保有期間中の追加返済額
- 自分の家族歴や健康上の懸念
- 住宅ローン本体の適用金利
を見る必要があります。
この計算の限界 #
数字を過信しないために、問題点も書いておきます。
一般人口と団信加入者は同じではない #
健康告知を通過した団信加入者は、一般人口より健康な可能性があります。 一般人口の罹患率を使うと、期待保障額を高く見積もります。
がん罹患率には団信対象外も含まれる #
上皮内がん、待機期間中のがん、対象外の皮膚がんなどを完全には除けていません。
心筋梗塞、脳卒中は商品条件の差が大きい #
発症、入院、手術、60日継続は別の事象です。 商品ごとに同じ発症率を使うことはできません。
就業不能、要介護の統計は精度が低い #
12か月以上、24か月以上の就業不能や、45~64歳の要介護2到達率を、商品条件どおりに推計できる公開統計は限られています。
複数疾病を単純に足すと過大評価する #
一度団信が支払われれば、その後の疾病で追加の保険金は出ません。 がん、脳卒中、死亡などを単純加算すると、重複して数えることになります。
お金の時間価値を厳密には反映していない #
将来の保険金と、現在から払う追加返済額を、同じ名目金額で比べています。 厳密には割引現在価値で評価する必要があります。
まとめ #
団信選びで重要なのは、何疾病を保障するかではなく、
どのくらいの確率で、どの時点に、いくら住宅ローンが免除されるか
です。
住宅ローンは人生に必要な金融商品だと思いますが、年0.数%の金利上昇は重いです。 商品名の印象だけで決めず、支払条件、上乗せコスト、期待保障額を分けて見た方がいいと思います。
あと最後は平均統計だけでなく、自分の家族歴、健康状態、働き方、ストレス、睡眠状況など、自分にしか分からないリスクも含めて決めるのがいいと思いました。
参考資料 #
調査時点:2026年7月31日
商品条件 #
- 三菱UFJ銀行「疾病保障付住宅ローン」
- 三菱UFJ銀行「疾病保障付住宅ローンシミュレーション」
- SBI新生銀行「住宅ローン団体信用生命保険 WEB申込のご案内」
- SBI新生銀行「住宅ローン」
- りそな銀行「団信革命(特定状態保障特約付団信)」
- PayPay銀行「団信プランのご紹介」
- PayPay銀行「がん50%保障団信の上乗せ金利の改定について(2026年6月1日)」
- 住宅金融支援機構「新機構団体信用生命保険制度」
- 住宅金融支援機構「新3大疾病付機構団信の加入要件・保障内容」
統計 #
- 国立がん研究センター がん情報サービス「がんの統計」
- 厚生労働省「簡易生命表」
- 厚生労働省、協会けんぽ等の傷病手当金、就業不能期間に関する公開資料
- 公的介護保険制度の要介護認定に関する統計
免責事項 #
この記事は、私が住宅購入時に行った個人的な調査と概算です。 金融商品、保険商品、住宅ローンの勧誘や推奨を目的とするものではありません。
団信の支払条件は、商品概要ページだけでなく、契約概要、注意喚起情報、被保険者のしおり、約款で確認する必要があります。
商品条件、上乗せ金利、加入年齢、引受保険会社は変更される可能性があります。 実際の契約時には、銀行、保険会社の最新資料を確認してください。